第六夜 闇の歌


闇こそは我らがとこしえの主
心せよ、魔の子らよ

人の子は言う、闇は悪にして魔
そを打ち払う光こそが真なりと
災いあれ、偽りの教えを信ずるやから
光こそ大いなるそらごとなり

見よ、漆黒の闇の中、人の子らの生み出す炎を
風のひと吹き、雨のひと降りで滅ぶその空しさを
見よ、ぬばだまの夜に浮かぶ月を、星を
はてなき夜を破るにはあまりに幽けきその姿を

地上をあまねく照らすかに見える太陽さえ
闇のその大いなる御手の中にある
光あるところには必ず影が生じ
太陽の版図が日暮れを越えることはかなわず

心せよ、心せよ
光は幻
闇こそは我らがとこしえの主


END


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